こんにちは!ナタリです!
東京ディズニーランドの新しいパレード、「ドリーミング・アップ!」
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かっこいい音楽と華やかなキャラクター&ダンサー、動きのあるフロートに圧倒される最高のパレードですね!!
さて、このパレードでミッキーとプルートが乗るフロートは、映画『ファンタジア』がテーマになっています。
さらに、ミニーやドナルドたちは『ファンタジア』に登場する”ほうきの召し使い”のフロートに乗っています。
そういえば、東京ディズニーシーで公演されている夜のショー「ファンタズミック」にも、『ファンタジア』の要素が取り入れられていますね。
でも、『ファンタジア』を観たことあるという人は意外と少ないのでは…?
何十年も前の映画ですし、地上波で放送しませんからね…
魔法使いの帽子をかぶったミッキーなら知ってる!という人は多いと思いますが(^^)
今回は私の大好きな映画『ファンタジア』について、つらつらと書いていきます。
Contents
クラシックとアニメーションの融合!
『ファンタジア』は1940年に公開されたディズニー映画です。
ウォルト・ディズニーが著名な指揮者であるストコフスキーとタッグを組み、クラシック音楽をアニメーションで映像化した、斬新で意欲的な作品なんです!
オーケストラの実写から始まり、8つのクラシック音楽がそれぞれアニメーションで描かれます。
公開当時は賛否両論でしたが、音楽と映像の調和は見事で、映画、アニメーション、クラシック、多方面に大きな影響を与えました。
演奏される楽曲
バッハ:「トッカータとフーガ ニ短調」
色鮮やかな奏者のシルエットが幻想的かつ迫力あるスタートです!
実写からアニメーションにシフトし、音を視覚的に表現します。
抽象的な表現はイマジネーションを刺激しますよ。
チャイコフスキー:舞踏組曲「くるみ割り人形」
お菓子の国の精ではなく、露の精が登場します。
キノコや花、葉っぱが踊るという発想、センスが見事(キノコがとっても可愛いので注目)!
四季の移り変わりが美しく表現されていて、見とれちゃいます👌
デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
魔法使いの弟子に扮したミッキーが登場する有名なアニメーションです。
ちょっとしたトリビアですが、ミッキーの師匠として登場する魔法使いイェンシッド(「キングダム ハーツ」シリーズでもお馴染みですね)の名前は、”Disney”を逆からつづった”Yen Sid”になっています。
ストラヴィンスキー:舞踏組曲「春の祭典」
地球における生命の誕生から、恐竜の絶滅までを描いています。
荘厳な音楽と、リアルに描かれる生物の進化と弱肉強食の戦いが見事にハマっています…!
ヴェートーヴェン:交響曲第6番「田園」
アールデコ風の楽園を舞台に、ユニコーン、ファウヌス、ペガサスをはじめとした多くのキャラクターが生き生きと動き回ります。
さすがディズニー!と思わずにはいられない表現がいっぱい詰まっていますよ。
ポンキエッリ:歌劇「時の踊り」
飛び抜けてギャグにあふれた一幕です。
ダチョウ、カバ、ゾウが真剣に、プロ顔負けのバレエを披露するのですが、それがなんともユーモラス😁
後半、ワニとカバの追いかけっこも面白おかしくて見ごたえあります!
ムソグルスキー:交響詩「禿山の一夜」
圧倒的な存在感を放つチェルナボーグ(黒い神)に、ゆらゆらと浮かび上がる亡霊…
コミカルさを抑えたダークでホラーなアニメーションは、ディズニー作品の中でも異彩を放っています。
子どもの頃に観るとトラウマになるかも…
シューベルト:「アヴェ・マリア」
「禿山の一夜」からシームレスにラストシーンに移行します。
巡礼者の行列という厳かな場面から、朝日が昇る神々しいクライマックスへ…!
ミッキーの人気挽回のためにつくられた?!
当時はドナルドダックの人気に推され気味だったミッキー。
おまけに、長編アニメーションがヒットしたことで、今後ミッキーの出番が無くなってしまうのでは…とウォルトは心配したんです。
ウォルトは、ミッキーの人気挽回のための短編映画を製作したいと考えていました。
そんなある日、偶然同じレストランで食事をしていたストコフスキーとクラシック音楽のアニメ化の話になり、「魔法使いの弟子」を題材にミッキーの短編映画の製作が決まりました。
最終的にはストコフスキーの助言もあって、「魔法使いの弟子」を含めた長編として製作されることになったのです!
また、『ファンタジア』の頃からミッキーにある変化が起きます。
目に瞳が描かれ、表情も豊かになったのです。
スクリーンデビュー当時のミッキーは黒目で、表情のパターンはそれほど多くありませんでしたから、この変化は大きなものでした。
私たちに馴染みのある現代のミッキーは、この時代に形作られたんですね。
「魔法使いの弟子」はミッキーの新しい魅力を引き出し、彼は再び人気を取り戻すことになったのです。
『ファンタジア』にみる技術革新
『ファンタジア』が世界初のステレオ映画だということをご存知でしょうか。
クラシックの演奏をファンタサウンドという新しく画期的なシステムで録音しました。
オーケストラのパートごとに録音し、音量を細かく調節して、劇場に設置された複数のスピーカーで再生することで擬似的な立体音響を実現させたのです!
さらに、公開にあたって専用の音響設備を映画館に設置させるという徹底ぶり(莫大な費用がかかったようですが…)!
ウォルトの音へのこだわりは、後のサラウンドシステムの発展に貢献しました。
また、複雑な特殊効果が多様されているのも『ファンタジア』の特徴です。
今ならCGで容易にできる特殊効果も、当時はすべて手描きです。
『ファンタジア』に見られる特殊効果の数々には、スタジオの独創性がいかんなく発揮されています。
例えば、雪の結晶がくるくる舞うシーンは、
模型の結晶を乗せた歯車をレールの上で動かし回転させる
↓
その様子を撮影
↓
アニメを重ねる
という手法でつくられました。
また、ゆらゆらと浮かび飛んで行く亡霊は、
絵をドラム缶に貼る
↓
ドラム缶を回しながら歪んだ鏡に映す
↓
鏡を撮影
という手法でつくられました。
こうやって、まるでCGかのような特殊効果をつくりだしているんです。
『白雪姫』『ピノキオ』などで使用されたマルチプレーン・カメラ(3次元的な奥行きを再現する特殊なカメラ)も多用されています。
驚くほどの工夫と緻密な撮影によって、CGの無い時代にリアルな表現を生み出したんですね!
革命的作品を観てみよう!!
『ファンタジア』は、今から80年近く前の映画なのに、驚きや発見がいっぱい詰まったとても美しい作品です。
皆さんもぜひ観てみてはいかがでしょうか?